21才

 

21才、

休む場所を知らない鳥みたいだ。

疲れてるのに飛び続ける。

雨粒で羽根を重くしながら、

飛び続ける。

追われてるのか

従ってるのか

逆らってるのか  . . . . .

きっと、

墜ちるまで飛び続けるんだろう。

疲れて、苦しくて、泣きたくなっても、

翼を持つことを誇りに思って。

それだけに誇りを持って。

 

21才、

翼を持たないただの人間。

鳥になりたいと願っても、

自力では、

ほんの少しも飛ぶことはできない。

骨張った細い二本の腕に、

風を掴む術はない。

追われて

従って

逆らいもする、仕方なく . . . . .

笑い泣くことに疲れても、

届かない願いを空に放って、

気休めにキミを思い出す。

 

21才、

遣り切れない思いの塊だ。

二本の腕は翼にはならなくとも、

キミを抱き締められる、

あとほんの少し、

あとほんの少し、勇気があるなら。

空っ風に追われて

追い風に従い

向かい風に逆らえ。

キミへの思いに翼はいらない。

細く頼りなくても、

二本の確かな腕があればいい。

 

21才、

休む場所を見つけられない鳥みたいで、

願っても祈っても鳥にはなれない、

 

遣り切れない思いの塊だ。

 

 

 

ーendー

 

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