パスタの行方
コーヒーカップの底に
パスタの人差し指が沈んでた
コーヒーの色になって
少しだけ やさしくなってた
私は パスタの人差し指に 問いかける
「何がしたかったの?」
「パスタでしかないことを
覆したかったのさ
でも
パスタであるがゆえに
パスタであることが大切だって
コーヒーの色になって
やっと気付いたよ
だから
お願いだから
食べないでおくれよ
もう
パスタとしてやりきれなくなった
ただのカタマリなんだから 」
私は
パスタの人差し指をつまみ上げて
ねずみの穴に放り込んだ
ーendー