遠浅の先に
きみの眼差しを探す
久しい緑の海は
懐かしみなく
思い出をちらつかす
見たことのないかたちの屋根と
穴の開いた広い山並み
桜が咲いているんだね
茶色 深緑 薄紅 緑
どこもかしこもどこかに似ていて
初めて乗る電車の匂いさえ
記憶の中から湧いた気になる
遠浅の先に
きみの眼差しを探し
また西へ
後ろ髪にしがみついて
まだ西へ
きみを目指して
ーendー