朝のカップにはコーンスープ
夜のカップにはホットミルク
昼食が済むとカップにはコーヒー
遠い外国の豆を挽いて
きみはいい香り
ガラスの電気ポットでお湯を注ぐ
きみの新しいお気に入りだから
今日もスリッパまでいい香り
切れかけた蛍光管の不規則な明滅が
飲み過ぎじゃないかと警告するけれど
きみはまた湯気と戯れながら笑っている
おいしいものを
おいしいうちに召し上がるのが得意なの
と笑っている
日が短いから空は広くなって
駐車場の金柑を見下ろす
長い袖で鼻をこすって
魔法みたいでしょと笑った
ーendー