人はロマンチストであれ
月に兎を見ること
ガラスに色を付けること
歩きすぎた靴の底と
話しすぎたリアルなこと
きみはロマンチストであれ
「きみを眺めていよう」
「手を繋いでみない?」
「髪に触れていい?」
「好きだ」
「嫌いだ」
誰もロマンチストであれ
風邪薬とコーラ
通学路の迷子
借金を踏み倒す
西向きの窓から見る朝日
ハウリング好きのベーシスト
刃のこぼれたナイフ
活字離れの新聞記者
夜景の見えるレストランのある
ホテルの大きな窓のカーテンを
閉め切った部屋に二人きりの男女が
甘い囁き声で別れ話
そんなロマンチシズムに溺れて
目覚めた月曜 朝7時
ーendー