明かりとり窓が白く光って
腰まで伸びた髪が翻った
ソファに埋もれて泣き出した
先月までお姫様になりたかったショートヘアは
夜の階段で私を呼ぶ
小さな声で体を揺らし
着ぐるみで転ぶ襟足も
誰かが漏らすおばけはきらい
絵本なら抱いて歌うのに
私はと言うと
暗い雨音に隠れた
小さな会話を聞き逃さなかったっけ
いつの間にか消えてしまって
今は
聞こえない足音を探してる
どうかここへは来ませんように
小さな四肢を一つ残らず守ろうと
石榴を食って鬼にさえなる
ーendー