ひずみがここへ
土や根を伝ってくる
身構えて
窺ってはみるけれど
役立たず
水の時や火の時も
結局は同様に
見守って祈るだけ
なんの期待もしていないのに
こんな時にだけ現れる
名前のない神様
誰が祈れば届くのか
わたしたちは泣いているのに
蔑まれた伝統を
コンピューターに問う
守るべきものは何のため?
守れなかったのは何のせい?
つぎはぎの的外れに
笑うだけ
冷蔵庫の中身が明日を作る
それと同じことを
あなたにもして欲しい
誰に祈れば届くのか
わたしたちは泣いているのに
頼りすぎた電光が
戦々恐々に舞う
揺るがない両手がある
これだけがわたしをも守る
いつしかの噂を
笑うだけ
見えもしない魂の
その渾身の祈りが
しんしんと届いたことに
気付かない
横たわる風見鶏
ーendー