あたしたち
いつかの夢の中で
出会ったらしいの
あなたはきっと白いラジカセが王子様で
あたしは赤いお姫様だったみたい
あなたが聞かせてくれるの
緑の竜を倒したことや
青い盗賊と戦ったことや
黄色い野原で花に誓いを立てたこと
あなたが聞かせてくれるの
でもあたしは
なにひとつ覚えていないのよ
緑も青も黄色も白も
何一つ思い出せないの
愛する王子のキスで目覚めた瞬間
光の砂粒になって
なくなってしまうように
きっと目覚めた瞬間
夢のお姫様のあたしは
消えてしまったのね
あなたは所詮
夢の産物
消えてしまったのよ、あたしは
いまさら出てこないで
消えてしまったのよ、あなたは
ーendー