真夜中の交差点
追いかけてしまいそうな
どうしようもないお別れに
いつもより強く抱きしめたきみの背中
胸に顔をうずめて
「あたしはちっちゃいな」
爪先立ちで長いキス
「あたしはちっちゃいな」
真夜中の交差点
離したくない右手を
どうしようもないお別れに
いつもよりたくさん振って向けた背中
胸で右手を握って
「あたしは振り向かない」
歩きたがらない両足でも
「あたしは振り向かない」
最後の橋を渡りきって
左手が呟く
「バイバイ、またね」
ーendー