手を繋いでみても私たちの隙間は頑強で
思い出してみればきみの手はごわごわと隔たりの手触りであった
フラクタル幾何学を用いて寄り添ったところで理性にしろ本質は
その知り得る最大限のまま一片の隔たりに屈するしかない
私たちは何も間違ってはおらず
むしろ人間らしいだろうなどと
もっともらしく悪態をつく
とすれば実に明瞭にきみを巻き込んだ厄介で勝手な独り善がりだと
ひとりよがりだと理解できるのだろう
この世できみがただ一人なら
私はいつも独り者
甲斐性に負荷が生じてきみの必要性を見出せば
揺るがせまいと堅くなのわたしのふしだらを
持て余す言い訳にもできようが
きみの甲斐性の正義を持ち上げてまで
きみが愛しいと請う
惨めだと
憐れだと
健気だと
それでもきみは一人だから
私はいつも独り者
ーendー