私たちはいつも

地面と空を結ぶワイヤーを

探すような会話をした

 

それは無いのだ

 

わかっていた

だからこそ会話を続けた

そうすれば

やがて朝が訪れ

私たちはいつの間にか眠れるからだ

 

途切れそうになる時

私たちのどちらかが

例え話を始める

話題は久しく脱線し

花と雲の関連性を

探すことになる

 

それは無いのだ

 

わかっていた

だからこそ会話を続けた

そうすれば

やがて月が現れ

私たちは法律のように

食事をすることになるからだ

 

私たちの両足は

地面を離れることなく

浮き足立って

伸ばした両手が

空に触れられることを

わかっていた

 

それには気付いていないふりをすることで

私たちは繋がりを確かめた

 

それは

太く捩れた金属製ではないが

ワイヤーだ

 

 

 

ーendー

 

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