きみの細い指が
甘いキャスターをもみ消した
愛しい人を思い出そうとするように
ゆっくり煙を吐き出す
赤い照明のカウンターは
こんなにもぬくもりを演出しているのに
きみってば今夜も
青色の瞳でバーボン
「木琴のBGMなんて珍しいね」って
ほほえんでみせるけど
「そうでしょう」としか返せない
きみの心がカラフルになりますように
祈るように選んだのよ
また火を点けてから
空き箱を握り潰した
愛しい人を忘れようとするように
ゆっくり煙を吐き出す
ーendー