彼と過ごしたのは

 

わたしのほんの少し

それは

彼のほとんど全部

 

目ヤニと埃で汚れた小さな小さなカラダは

わたしの両手に包まれて

すこしく震えてから

甘えて鳴いた

しばらくすると

誰にも甘えて

誰よりも優しかった

 

 

あの日はとてもよく晴れて

空には

彼を迎える準備ができていた

わたしだけが立ち尽くして

泣くしかなかった

 

虚空の奥から取り出した

青褪めた灰は溶けずに残った

わたしのあやまち

忘れ得ぬ青色

 

 

彼の精一杯を泣くけれど

許してね

 

7日して産まれたきみを忘れないまま

ここに孕んだ命たちに歌う

眠れない彼のために作った子守唄

 

 

 

ーendー

 

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