縦横の交差点が似合う友人へ
触れ合ったら気付いてしまうとわかっていたから
私たちはクツヒモを結び直すこともせず
並んだり立ち止まったりしゃがみこんだりしながら
歩き続けた
この距離感の重要性を
私たち自身は誰よりわかっていた
近付きすぎる怠惰な不必要性についてを
わかりきってしまっていた
人形やモデルのような女の子たちと
人形かモデルのような男の子たちとの中で
私たちがなりたがったのはカラスで
黒光りする羽根が
抜け落ちるか或いは汚されることに
恐怖を感じていた
靴のサイズよりも袖の長さよりも
ガスレンジのつまみやフライパンの重さに気を配って
他人と笑い合う目尻の角度と温度に
私たちが私たちである証明を
見出してしまえる私たちだから
ーendー