一月の西日は強くても冷たい
キャッチボールをする中学生が
流行の音楽を口ずさんでいる
落ち損ねた枯葉が擦れあう
雨音にも波音にも似ていないのに
あの人を思い出す
気が付くとひっきりなしの罵倒
色々な事情と聞いて
思い浮かぶネガティブの数々
枯れる前の葉は
本当に緑色だったか(どうか)
まとわりつきながら冷めていく太陽は
暮れながら昇っている
事象自体にはどちらもないよと
教えられたらなあ
彼はキャッチボールをやめて
懐かしい名曲を口籠りながら
枯葉をちぎった
ーendー