きみに心を歌うのはひどく滑稽なことだと
真上の夜に気付いた
だから
つきがうすめでみていたことや
ランプがあかくともったことや
るいせんをわごむでたばねたことや
わらわなかったことも
うたうひつようがなくなった
みぎてをポケットにぬいつけて
はくしをはくしにもどすことにつとめた
月が薄目で見てたこと
ランプが赤く灯ったこと
涙腺を輪ゴムで束ねたこと
笑わなかったことも
笑って言ったことも
ナカッタコトにして
努めてナカッタコトにして
詠う
真上の夜の後で
ーendー