夏の夜は暖かい風

 

真昼の熱風は

 

遠く知らない国へと

 

吹き去りました

 

涼しい夜

 

でも暖かい風

 

いま私の肩を優しく撫でて

 

消えてゆきます

 

 

あの冬の日から

 

風を好きになりました

 

あなたと別れた日から

 

強く吹きつける風の中

 

あなたはその胸を切り裂き

 

雪の地面へ身を投げました

 

悲しみを覚える間もなく

 

見届けることしかできません

 

そんなとき

 

無意識に流れる涙を

 

風は優しく消しながら

 

”生きろ”と私に告げました

 

 

風の言葉は

 

私に幸せをくれました

 

あの人の面影を

 

忘れることはできなくても

 

夢を見ることは無くなりました

 

 

大好きな夏の夜の風に乗って

 

いつか

 

いつかあの人との幸せを

 

つかみに行きます

 

待っていてね

 

私が行くまで

 

幸せを抱えていくからね

 

 

 

 

ーendー

 

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