温室 呼吸の無い会話 同じものを見てると思った 小枝に光る雫の一粒や 空に沈む星の爆発や 机の下に隠した写真 わたしが見てるものを知ってる? 遠く離れたともだちの嘘や 代わり映えのない部屋の鍵や さっき交わした約束の意味 きみが見てるものを教えて 風が凪いで運んだ雲? 土が呼んで芽吹いた花? 路地を接いで作った街? きみと見つめ合え... 文月えん
温室 あおいろあげは 愛されたいと 思い続けた あおいろあげはが一匹 愛される場所を見つけた 愛される舞い方を知った 愛される色を纏った 葉の裏 枝の間 紫色 愛された たくさんの者たちに クモ アリ カマキリ コオロギ ガ 気付いた あげはだからだと 愛されたいと 思い始めた あおいろあげは 「チョウに愛されたい」 「だから あおい... 文月えん