大広間 遮二無二 人の隙を走って生きる鼠よ 生きる というのは壮大 なんて簡易で真っ当だろう 人の裏をかいて生きる人よ 生きる というのはゾンザイ なんて安易な末路だろう 女は枯れるまで身籠り 男は果ててまで身勝手 齧るチーズは腐ってはいないかい? なんて野暮は言うまい チーズはクズかけもありゃしない 生きる というのは生涯 な... 文月えん
大広間 立派なもしくは正しい兵士の作り方 ぼくは新月の夜に生まれたこども 何も無い夜に生まれたこども 目覚めると炎の中にいた 全てが真っ赤で シアワセの色だと誰かが教えてくれた だから泣いたんだ 泣いたんだ 泣いたんだ 僕の涙は海に溶けて 雨になって降り注いで ぼくは大人になった ぼくはなんでも持ってた 大人だから 炎と雨じゃないなにもかもを持って ぼ... 文月えん
大広間 ワイヤー 私たちはいつも 地面と空を結ぶワイヤーを 探すような会話をした それは無いのだ わかっていた だからこそ会話を続けた そうすれば やがて朝が訪れ 私たちはいつの間にか眠れるからだ 途切れそうになる時 私たちのどちらかが 例え話を始める 話題は久しく脱線し 花と雲の関連性を 探すことになる それは無いのだ わ... 文月えん